薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです


DPP-4阻害薬の腎機能低下に対する用量調整

2型糖尿病の治療薬であるDPP-4阻害薬は、低血糖のリスクが低いため軽度の糖尿病に対して処方されやすいが、多くのDPP-4阻害薬は主に腎で排泄されるため、腎機能が低下している患者では用量に注意が必要。 // *DPP-4阻害薬それぞれの添付文書上の記載 それぞ…

盲腸の痛みの特徴

虫垂炎(盲腸)は虫垂に起こる炎症で、痛みや吐き気、下痢、発熱を伴う。 重症化し腹膜炎を引き起こすと、命に関わる場合があり、特に小児において重症化しやすい。 虫垂炎の痛みは以下のような特徴がある。 // *痛みの特徴 初期に心窩部(みぞおち)や臍(…

βブロッカーによる悪夢

薬剤による悪夢はさまざまな薬で報告されているが、中でもβ遮断薬での報告が多い。 以前は脂溶性が高いβ遮断薬ほど悪夢を起こしやすいと考えられていたが、否定的な意見もある。 // *機序 β遮断薬による悪夢の機序は明確になっていないが、以下のような機序…

NSAIDsによる心不全リスク

2016年に発表された研究によると、NSAIDsを服用した場合、そうでないと比べて、2週間以内に心不全で入院するリスクが19%高くなることが示唆された。 // *研究詳細 ドイツ・イタリア・オランダ・イギリスの患者の1999〜2010年の診療記録を調査した後ろ向き…

アメナリーフの特徴

帯状疱疹の治療に使用されるアメナリーフ(アメナメビル)について以下まとめ。 *適応症 帯状疱疹 // *用法・用量 通常、成人にはアメナメビルとして1回400mgを1日1回食後に経口投与する。 *特徴 ・非核酸誘導体の抗ヘルペスウイルス薬。 ・ウイルスのDNA…

ルパフィン錠の特徴

ルパフィンは、ルパタジンフマル酸を有効成分とする抗アレルギー薬。 抗ヒスタミン作用の他に、抗PAF(血小板活性化因子)作用を併せ持つ。 // *用法・用量 1日1回10mgを服用する。 症状に応じて1回20mgに増量することができる。 食事の影響は少ないため、…

胃全摘後のメコバラミン

胃の全摘出患者に、ビタミンB12製剤であるメコバラミンの内服が処方されることがある。 これは、胃摘出後に起こる巨赤芽球性貧血を予防するため。 // *巨赤芽球貧血とは 巨赤芽球貧血とは、血液中に成熟していない大きな赤血球(巨赤芽球)が増殖する貧血。…

コリン作動性グリーゼとは

ジスチグミン(ウブレチド)やベタネコール(ベサコリン)などのコリン作動性薬には、重大な副作用としてコリン作動性クリーゼがある。 // *コリン作動性クリーゼとは? 副交感神経が優位な状態が継続することで現れる症状。 初期症状としては、下痢、腹痛…

低血糖による脳心血管イベントリスク

糖尿病治療において、低血糖に関して十分に注意してモニタリングする必要がある。 症状としては冷や汗、動悸、意識障害、手足の震え、痙攣、異常な空腹感など。また、低血糖の頻度の高い場合や重篤な場合には、脳心血管系への影響も懸念される。 // *低血糖…

イリボー錠の女性への投与

イリボー(ラモセトロン)は、下痢型過敏性腸症候群治療薬。 セロトニン5−HT3受容体を拮抗的に阻害することで、腸の蠕動運動を抑制する。また、腸管水分輸送異常や内臓知覚過敏を改善する作用も持つ。 販売当初は女性への適応はなかったが、現在は女性への適…