脳梗塞は、脳血管の閉塞により脳組織の血流が途絶し、虚血性障害を生じる病態の総称である。アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞 の三型に分類され、それぞれ病態・臨床像・治療方針が異なる。
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*アテローム血栓性脳梗塞
【特徴】
頸動脈・脳主幹動脈のアテローム硬化が進行し、血栓形成や動脈狭窄により血流が低下して発症する。早朝・起床時に多く、段階的悪化(進行性脳梗塞)が見られることがある。卒中前に 一過性脳虚血発作(TIA) を伴うことが多い。
【危険因子】
高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、頸動脈狭窄
【治療】
急性期:t-PA静注療法(発症後 4.5時間以内)、機械的血栓回収(発症後6〜24時間)
再発予防:抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレル)
頸動脈狭窄が高度:頸動脈内膜剥離術(CEA)またはステント留置(CAS)
*心原性脳塞栓症
【特徴】
心臓由来の血栓が脳血管へ流入して閉塞を引き起こす。不整脈(特に心房細動)が主要な原因。症状の発症が 突然で重症化しやすい。大梗塞となりやすく、出血性梗塞を合併する頻度が高い。
【危険因子】
心房細動、心筋梗塞後、弁膜症、心不全、左心房内血栓
【治療】
急性期:t-PA静注療法(発症後 4.5時間以内)、機械的血栓回収(発症後6〜24時間)
再発予防:DOAC(アピキサバン、エドキサバン、ダビガトラン、リバーロキサバン)、ワルファリン(特に弁膜症性AF)
*ラクナ梗塞
【特徴】
脳深部の穿通枝(細い動脈)が閉塞して生じる小梗塞(直径15mm未満)。被殻、視床、内包、大脳白質などに好発。視床痛、片麻痺、感覚障害、失調、運動失語など多彩な症状を呈するが、比較的軽症で意識障害は少ない。
高血圧性の細小血管変化(リポヒアリン変性)が背景にある。
【危険因子】
高血圧、糖尿病、喫煙、高齢
【治療】
急性期:基本は保存的治療。重症例ではt-PA適応となることもある。
再発予防:抗血小板薬、血圧管理、糖尿病管理
*まとめ
脳梗塞は「血管の詰まり方の違い」に基づき、アテローム血栓性、心原性、ラクナ梗塞の三型に分類され、それぞれ病態・臨床像・治療が大きく異なる。急性期は時間依存性が強く、t-PAおよび血栓回収療法が治療の中心となる。再発予防では、原因に応じた抗血小板薬または抗凝固薬の選択が重要であり、併存疾患の管理が長期的な予後改善に不可欠である。
※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。