妊娠中の薬物選択では安全性が特に重視されるが、漢方薬も例外ではない。多くの漢方薬は比較的安全とされる一方、子宮収縮作用や血流動態の変化により妊娠維持に影響を及ぼす可能性があるため、妊婦には禁忌または慎重投与とされる処方が存在する。
広告の下に記事が続きます
*妊婦に禁忌とされる代表的漢方薬
①「桃仁」を含む処方
桃仁は駆瘀血薬として用いられるが、血行促進作用と子宮収縮作用が指摘されており、妊娠継続に影響する可能性がある。
【禁忌例】
・桃核承気湯
・桂枝茯苓丸
・大黄牡丹皮湯
・温経湯
・通導散 など
特に桂枝茯苓丸は一般的な処方であるが、妊娠中には避けるのが原則とされる。
②「大黄」を含む処方
大黄はアントラキノン誘導体による強い瀉下作用(腸管刺激)を持つ。腸管運動亢進と同時に子宮収縮が誘発される可能性がある。
【禁忌例】
・大黄甘草湯
・三黄瀉心湯
・桃核承気湯
・大承気湯
・調胃承気湯
・通導散 など
妊娠中の便秘には、大黄を含まない安全性の高い処方が選択される。
③「芒硝」を含む処方
芒硝は瀉下作用が強く、特に子宮収縮を誘導しやすいため妊婦には禁忌。
【代表処方】
・大承気湯
・調胃承気湯
・桃核承気湯
④その他、妊婦に不適切とされる処方
以下は禁忌ではないが、慎重投与とされることが多い。
・麻黄湯(交感神経作用、血圧上昇の可能性)
・柴胡剤の一部(肝機能変動・流早産の報告は稀だが注意される)
・防風通聖散(瀉下作用・刺激性あり)
*まとめ
妊婦に禁忌とされる漢方薬の多くは、「駆瘀血」作用(桃仁)、「強い瀉下」作用(大黄・芒硝)といった薬理作用が子宮収縮を誘発する可能性に由来する。
※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。