ピロリ菌検査には次のような種類がある。
呼気か便で検査する方法が精度が高く、血液や尿を用いる方法では感度が低いため、推奨されていない。
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*侵襲的検査
培養法
内視鏡にて胃粘膜の一部を摘出。その組織から菌を分離培養することにより、ピロリ菌の存在を確認。菌株を純培養し入手でき、この菌株を薬剤感受性 (MIC) 測定や遺伝子診断など他の検査に利用することが可能。
感度:68~98%
特異度:100%
鏡検法
胃の組織を薬剤で染色して、顕微鏡でピロリ菌を確認する。
感度:88~99%
特異度:89~100%
迅速ウレアーゼ試験(RUT)
尿素とpH指示薬が混入された検査試薬内に胃粘膜組織を入れ、pH の上昇の有無を確認。ピロリ菌が存在する場合にはウレアーゼにより尿素が分解されてアンモニアが生じることによりpHが上昇する。
感度:85~95%
特異度:95~100%
*非侵襲的検査
尿素呼気試験(UBT)
13C-尿素検査薬の内服前後で、呼気中の13C-二酸化炭素の増加を測定する。
ピロリ菌の産生するウレアーゼが胃内の尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解するため、ピロリ菌が存在していれば13C-二酸化炭素が増加する。
感度:95~98%
特異度:95~97%
血清抗体測定法
血清の抗H.pylori抗体の量を測定する。
除菌後の抗体価低下には1年以上かかる場合ががあるので注意。
感度:88~100%
特異度:50~100%
尿中抗体測定法
尿中の抗H.pylori抗体の量を測定する。
こちらも除菌後の抗体価低下には1年以上かかる場合ががあるので注意。
感度:85~96%
特異度:79~90%
便中抗原測定法
抗H.pylori抗体を用いて便中H.pylori抗原の有無を確認する。
感度:96~100%
特異度:97~100%
※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。