薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです


2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

心房細動におけるレートコントロールとリズムコントロール

レートコントロール・・・心房細動はそのままの状態で、心拍数を減らすように制御すること。 リズムコントロール・・・心房細動を停止させて、リズムそのものを制御すること。 *治療法 レートコントロール・・・ジギタリス製剤、ベラパミル、βブロッカー リ…

寒暖差アレルギーとは

寒暖差アレルギーとは、気温差が原因で起こる鼻症状を主とするアレルギー症状。医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれる。 暖かい場所から寒い場所に移動した時や、ラーメンや鍋など熱い食べ物を食べた時に鼻水が出るのも寒暖差アレルギーによるもの。 一般…

ムコダインとムコソルバンとビソルボン

*一般名 ムコダイン:L-カルボシステイン ムコソルバン:アンブロキソール ビソルボン:ブロムへキシン *作用の仕方 ムコダイン・・・気道粘液の「シアル酸」と「フコース」の割合を整えて、痰や鼻水の粘度を低下させて排出しやすくする。また、気道粘液自…

ドパミンアゴニストまとめ

*分類 麦角系・・・・ブロモクリプチン、ペルゴリド、カベルゴリン 非麦角系・・・タリペキソール、プラミペキソール、ロピニロール、アポモルヒネ、ロチゴチン *特徴・使い分け ・一般に、L-ドパよりも副作用が多彩。 ・発症年齢が70歳未満であれば、運動…

頭痛の種類と特徴

片頭痛と緊張型頭痛と群発頭痛の違いについて、以下まとめ。 *頻度 片頭痛・・・週2〜4回(慢性:週8回、鎮痛薬を月10回以上服用) 緊張型頭痛・・・月15回未満(慢性:毎日のように) 群発頭痛・・・1〜2ヶ月に集中してほぼ毎日、群発的に起こる *痛みの…

アカシジアとジスキネジア

*症状 アカシジア・・・じっとしていられない、座ったままでいられない、下肢のムズムズ感、足踏みなどの多動 ⇒ 我慢できずに体を動かしてしまう、不安・焦燥感などの精神症状を伴うのが特徴。 ジスキネジア・・・顔を歪める、舌を突き出す、唇をすぼめる、…

臨床的イナーシャとは

生活習慣病領域で「臨床的イナーシャ」という言葉が使われることが多くなっている。 「イナーシャ(inertia)」 = 「慣性、惰性、怠惰」 つまり臨床的イナーシャとは、臨床的にみて必要な医療を開始しなかったり、強化をしないということ。 臨床的イナーシャ…

ナトリックスの優位性

インダパミド(ナトリックス)などのサイアザイド系類似利尿薬は、複数の大規模臨床試験において優れた心血管予防効果を示すことが報告されている。 英国立医療技術評価機構のガイドラインでは、サイアザイド系利尿薬よりもサイアザイド系類似利尿薬を推奨す…

セレコックスの抗がん作用

セレコキシブ(セレコックス)には、大腸がんの抑制作用が報告されている。 それ単体で抗がん作用を期待するのではなく、抗がん剤のパフォーマンスを高めるために併用されるケースが多い。 抗がん作用は、COX−2阻害によりPGE2生成が抑制されることによるも…

べオーバの特徴(ベニタスとの比較)

べオーバ(ビベクロン)は、過活動膀胱の治療薬。 膀胱平滑筋のアドレナリンβ3受容体を特異的に刺激することで膀胱排尿筋を弛緩させ、膀胱の容量を大きくする。 同じ作用機序の薬としては、ミラベクロン(ベタニス)が挙げられる。 以下、特徴まとめ(ベタニ…

メトホルミンによる乳酸アシドーシス②

メトホルミンにより、乳酸アシドーシスのリスクが高い患者(禁忌患者)とその理由について以下まとめ。 *重度の腎機能障害(eGFR 30 mL/min/1.73 m2未満)のある患者又は透析患者(腹膜透析を含む) ⇒ メトホルミンの大部分が腎排泄のため。 *重度の肝機能…

メトホルミンによる乳酸アシドーシス

メトホルミンによる乳酸アシドーシスの発症頻度は、年間で10万人に数人。 *乳酸アシドーシス発症機序 メトホルミンは、乳酸やアミノ酸からの糖新生を抑制して血糖値低下作用をもたらすため、乳酸の蓄積を促進する。 通常は乳酸が蓄積すると、乳酸の代謝が亢…

アトピー性皮膚炎に対するスキンケアなど

*スキンケアの注意点 ・汗をかいたらこまめにシャワーを浴びるなど、肌を清潔にすることを心がける(汗をかくこと自体は悪くない)。 ・お風呂のお湯の温度は、熱すぎると痒みの原因になるので、心地よく感じる温度に設定する(体温より1〜2℃高いのが目安)…

フレックスペンとフレックスタッチの違い

フレックスタッチはフレックスペンの改良版。 *改良点 ・ダイアルを回しても注入ボタンが伸びずに押しやすい。 ・注入ボタンが軽く、小さい力で注入できる。 ・ダイアルを回す時のクリック感やクリック音が強くなり、視覚の弱い方でも使いやすい。 ・注入完…

空腹時の服用が適さない薬

空腹時の服用が適さないパターンは主に以下の2つ。 *脂溶性の薬(吸収が低下) ・EPA、DHA製剤 ・イトラコナゾール ・インドメタシンファルネシル ・テプレノン ※ ビタミンD3製剤は脂溶性ビタミンだが、吸収に食事の影響は受けない。 *胃腸に負担のかかる…

インフルエンザワクチンの効果

*ワクチン摂取の効果と目的 インフルエンザワクチンの摂取の最大の目的は、感染予防よりも重症化の予防。 特に、基礎疾患を有する患者や高齢者は重症化のリスクが高く、積極的に摂取することが求められる。 完全に感染を予防できるわけではない(予防効果は…

ゾフルーザの特徴と懸念

ゾフルーザは、2018年に発売されたインフルエンザ治療薬。 既存の薬(ノイラミニダーゼ阻害薬)とは作用機序が異なる。 *一般名 バロキサビルマルボキシル *作用機序 A型およびB型インフルエンザのmRNAに関わるキャップ依存性エンドヌクレアーゼを選択的に…

インフルエンザに薬物治療は必要か

一部の医療関係者では、「インフルエンザの薬物治療は、高齢者とハイリスク者のみにおいて必要であり、それ以外の患者は自宅で安静にしていれば良い」との意見がある。 しかし、以下の理由により早期診断、早期からの薬物治療の推奨がガイドラインに明記され…

アンヒバ坐剤とダイアップ坐剤の併用

アンビバ坐剤とダイアップ坐剤が同時に処方されている場合には、併用に注意が必要。 アンヒバ坐剤・・・・油脂性基剤 ダイアップ坐剤・・・水溶性基剤 ダイアップ坐剤の有効成分のジアゼパムは脂溶性のため、アンヒバ坐剤の基剤に吸着し吸収が悪くなる可能性…

アドソルビンとタンナルビン

アドソルビン・・・腸内の有害物質や水分を吸着する「吸着剤」 タンナルビン・・・腸の粘膜に被膜を形成する「整腸剤」 *禁忌 タンナルビンにはカゼインが含まれているため、牛乳アレルギーに禁忌。 アドソルビンは牛乳アレルギーでも服用可。 *タンナルビ…

小児用細粒・DSと飲食物の相性

エリスロシンDS10% 〇 アイス、ココア、練乳 × ヨーグルト、乳酸菌飲料、オレンジジュース、スポーツドリンク オゼックス細粒小児用 〇 チョコクリーム、ココア、プリン × アイス、オレンジジュース、ヨーグルト、乳酸菌飲料、スポーツドリンク オラペネム小…

SSRIとSNRI

SSRI ・パロキセチン(パキシル)・セルトラリン(ジェイゾロフト)・エスシタロプラム(レクサプロ)・フルボキサミン(デプロメール/ルボックス) SNRI ・ミルナシプラン(トレドミン)・デュロキセチン(サインバルタ)・ベンラファキシン(イフェクサー…

ジピリダモールの作用について

ジピリダモール(ペルサンチン)には、抗血小板作用の他に、冠動脈拡張作用と尿タンパク減少作用がある。 また、腎機能を改善する可能性も報告されており、 尿タンパクを伴うIgA腎症、糖尿病性腎症、多発性嚢胞腎の治療に推奨されている。 *尿タンパク減少…

PPIによる骨折リスクの上昇

PPI

PPIの長期服用により、骨粗鬆症による骨折のリスクが上昇することが報告されている。 *機序 胃酸の分泌が抑制されることにより胃内のpHが上昇し、カルシウムの吸収が抑制されるため。 カルシウム以外にも、鉄やマグネシウムなどのミネラルの吸収も抑制され…

ヒドロクロロチアジドによる閉塞隅角緑内障

ヒドロクロロチアジド(フルイトラン)の服用で、閉塞隅角緑内障が起こることがある。 明確な発現機序は不明。 アレルギー反応による毛様体の浮腫が関与していると考えられている。 *事例 近視の既往がない21歳女性 足の浮腫に対してヒドロクロロチアジドを…

硝酸薬に対する耐性

硝酸薬を継続的に使用すると耐性が生じ、数日で効果が減弱することがある。 効果の減弱だけでなく、血管内皮機能の低下により心筋梗塞の予後を悪化させることも。 *耐性を予防する方法 ニトロダームTTSのような長時間作動型の貼付剤では、発作の起こる時間…

[新薬]ロナセンテープ

*一般名 ブロナンセリン *特徴 ・世界初の抗精神病薬の経皮吸収型製剤。 ・ドパミンD2、D3受容体およびセロトニン5-HT2A受容体のアンタゴニスト(SDA)。 ・20mg、30mg、40mgの規格があり、効果は用量依存性を示すエビデンスがある(抗精神病薬では稀)。 …

ALTとASLの違い

AST:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ ALT:アラニンアミノトランスフェラーゼ *存在する場所の違い AST・・・肝臓以外の全身にも存在する ALT・・・肝臓に特異的に存在する *半減期の違い AST・・・約12時間 ALT・・・約40時間 ⇒ 半減期の差を利…

[新薬]ゾルトファイ配合注フレックスタッチ

*一般名 インスリン デグルデク<遺伝子組換え>/リラグルチド<遺伝子組換え> *特徴 ・国内初の持効型溶解インスリンアナログ/ヒトGLP-1アナログ 配合注射液。 ・フレックスタッチ採用なので、インスリン治療でフレックスタッチを使用していた方では切り替…

インスリン製剤の種類(プレフィルド製剤)

超速効型・・・ノボラピッド、ヒューマログ、アピドラ 速効型・・・・ノボリンR、ヒューマリンR 中間型・・・・ノボリンN、ヒューマリンN 持続型・・・・トレシーバ、レベミル、インスリングラルギンBS、ランタス、ランタスXR 混合型・・・・ノボラピッド30/…