2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧
ワセリン系の保湿剤や外用薬の基剤として白色ワセリンとプロペトが汎用されている。 両者は同じ原材料(石油)から精製され、精製度の違いにより分類されている。 *白色ワセリン 石油から精製される保湿剤。品質は日本薬局方により規定されている。 硫黄な…
薬と柑橘類の相互作用といえば、第一にグレープフルーツによるCYP3A4阻害作用が挙げられる。 *グレープフルーツによるCYP3A4阻害作用 グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類は、小腸に存在するCYP3A4の活性化を阻害するため、CYP3A4で代謝される薬の…
しばしば「抗菌薬」と「抗生物質」は同じ意味で用いられるが、厳密には定義が異なる。 抗菌薬の定義 細菌に対して破壊または育成抑制の作用をもつ薬剤 抗生物質の定義 微生物が産生し、細菌やその他の微生物、癌細胞の育成を抑え、さらには破壊するような能…
エネーボ配合経腸栄養液は、液状の経腸栄養剤。 固形物を摂取できない患者や、食事量の少ない患者へ、エネルギー源(カロリー)として投与される。 カゼインが含まれているため、牛乳アレルギーには禁忌。 口から服用することも、経管投与も可能。 *エンシ…
レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は、脚を中心に局所的に「ムズムズする」「虫が這っている感じがする」「じっとしていると不快」などの知覚異常を主な症状とする。 夕方から夜間に症状が悪化することが多く、睡眠障害の原因となる。 発症の原…
ミノサイクリン(ミノマイシン)はテトラサイクリン系の抗菌薬だが、抗菌作用の他にもいくつか作用を併せ持つことが報告されており、しばしば感染症以外にも投与される。 特に神経保護作用に関する研究が進んでおり、今後、神経変性疾患の治療への活用が期待…
胃食道逆流症(GERD)の長期治療戦略として、「オンデマンド療法」の有効性が注目されている。 「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015」では、オンデマンド療法を以下のように定義しており、一部のGERDの長期管理として推奨している。 オンデマンド療…
ステロイドの内服は、朝食後服用で処方されることが多い。 分2服用の場合にも朝・昼食後で処方されることや、朝・夕食後の分2服用で処方される場合には、朝食後の用量の方が多く処方されることがある。 *朝に服用する理由 ・通常、午前中に増加し、夜になる…
トランキライザーとは、現在においてはほとんど使われることはなくなった用語で、「精神安定剤」という意味。 トランキライザーの中でも、抗精神病作用のあるものは「メジャートランキライザー」、抗不安作用のあるものは「マイナートランキライザー」と呼ば…
ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法における、薬剤服用時にはいくつか注意点がある。 *レジメン 一次除菌 アモキシシリン(1500mg)/クラリスロマイシン(400mg又は800mg)/ PPI 1日2回 7日間 二次除菌 アモキシシリン(1500mg)/メトロニダゾール(500…
インペアード・パフォーマンスとは、抗ヒスタミン薬の投与によって集中力や判断力、作業能力などが低下してしまうこと。 抗ヒスタミン薬による眠気とは別の意味で定義されており、眠気が現れない場合でもインペアード・パフォーマンスがみられることがある。…
梅毒の標準治療であるアモキシシリンの投与により発熱や頭痛、筋肉痛などの症状がみられることがある。 これをヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応という。 *ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応とは 梅毒の治療に抗菌薬を投与した際に、みられる生体反応の…
エンシュア・リキッドとエンシュア・Hは、液状の経腸栄養剤。 固形物を摂取できない患者や、食事量の少ない患者へ、エネルギー源(カロリー)として投与される。 カロリーだけでなくビタミン、ミネラル、タンパク質がバランスよく配合されている。 カゼイン…
不眠症への対応は、薬物治療の前にまず生活指導から行う。 薬物治療開始後も不眠改善のための習慣は重要となる。 以下、生活指導まとめ。 【不眠症改善のための生活指導】 ・適度な有酸素運動を行う。 ・音対策・遮光、室温管理をしっかりとするなど寝室の環…
フェキソフェナジン(アレグラ)は、果実ジュースとの相互作用に注意が必要な薬剤。 果物ジュースによる、フェキソフェナジンの吸収への影響が確認されている。 *有機アニオントランスポーター(OATP)阻害作用 フェキソフェナジンなどの小腸の細胞膜に存在…
タケキャブ(ボノプラザン)は、プロトンポンプ阻害剤(PPI)の一種だが、従来のPPIとは阻害機序が異なり、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)と呼ばれている。 *薬理作用 従来のPPIは、酸により胃壁細胞内で活性型のスルフィンアミド型に変…
ドンペリドン(ナウゼリン)とメトクロプラミド(プリンペラン)は、どちらもよく使われる制吐剤。 以下、違いなどまとめ。 *作用機序 どちらも中枢(CTZ:化学受容器引金帯)のドパミンD2受容体を遮断することで中枢性の吐き気を抑制し、また、抹消のドパ…
ジゴキシン(ジゴシン)とメチルジゴキシン(ラニラピッド)はどちらもジキタリス製剤。 ジゴキシンの吸収率の低さを改善したのがメチルジゴキシン(メチルジゴキシンの吸収率はほぼ100%)。 *剤形 ジゴシン・・・錠 / 散 / エリキシル / 注 ラニラピッド…
エイベリス点眼液(オミデネパグ イソプロピル点眼)は、緑内障治療薬。 禁忌項目として「無水晶体眼又は眼内レンズ挿入眼の患者」がある。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); *無水晶体眼・眼内レンズ挿入眼とは 白内障が進行すると、外…
うつ病に関与していると考えられている脳内モノアミンは以下の3つ。 ①セロトニン・・・不安や落ち込みに関与 ②ドパミン・・・興奮や楽しみの減退に関与 ③ノルアドレナリン・・・意欲や気力の低下に関与 うつ病の薬物治療においては、これら3つのモノアミン活…
フォルテオ皮下注は、テリパラチド(遺伝子組換え)を有効成分とする骨粗鬆症治療薬。 骨吸収を抑制するビスホスホネート製剤とは異なり、骨新生を促進する作用を持つ。 注意すべき副作用として、一過性の急激な血圧低下、起立性低血圧、めまい、意識消失な…
クロピドグレル(プラビックス)とオメプラゾール(オメプラール)などのPPIを併用すると、クロピドグレルの活性代謝物の血中濃度が低下し、抗血小板作用が抑制されることが指摘されている。 *機序クロピドグレルは、肝臓で主にCYP2C19により代謝活性化され…
気管支喘息治療薬のいくつかには、血清カリウム値を低下させるものがあり、それらを併用している場合には低カリウム血症に注意が必要。 以下、低カリウム血症を引き起こす喘息治療薬。 *β2刺激薬 β2刺激作用によりアデニル酸シクラーゼが活性化され、生成さ…
*一般名 ドルテグラビル / ラミブジン *規格 ドルテグラビルナトリウム50mg・ラミブジン30mg 配合錠 *適応症 HIV感染症 *特徴 ・インテグラーゼ阻害剤(INSTI)と核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)の配合剤。 ・既に発売されている「トリーメク配合錠」か…
前立腺肥大症の治療薬、タムスロシン(ハルナール)は白内障手術後の有害事象のリスクを高めることが示唆されている。 α1a受容体は虹彩散大筋にも存在し、タムスロシンが作用すると術中の瞳孔散大を抑制し、縮瞳型症候群の一種であるIntraoperative Floppy I…
*一般名 ドラビリン *規格 100mg のみ *適応症 HIV-1感染症 *特徴 ・アロステリック効果によりHIV逆転写酵素活性を阻害する、非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)。 ・遺伝子変異による耐性ウイルス(K103N変異株 / Y181C変異株)に対しても効果を示すこ…
α-グルコシダーゼ阻害剤(α-GI)は、小腸において二糖類からグルコースへと分解する酵素α-グルコシダーゼを阻害することで糖の吸収を遅らせ、食後血糖値のピークを抑える効果がある。 現在、発売されているα-GIは次の3つ。 【α-GI製剤】 ・アカルボース(グ…
甘草1g中に含まれるグリチルリチンは約40mg。 1日の上限値はグリチルリチン300mgとされているため、甘草に換算すると7.5gまで。 医療用漢方製剤148品目の中で甘草が含まれているものは109品目もあり、複数の漢方製剤を服用している患者では、偽アルドステロ…
偽アルドステロン症は、高血圧、低カリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血性ミオパチーなどの原発性アルドステロン症様の症状・所見を示すが、血漿アルドステロン濃度は低下を示す症候群。 筋肉低下の進行により歩行困難や起立不能となり、入院す…