甘草1g中に含まれるグリチルリチンは約40mg。
1日の上限値はグリチルリチン300mgとされているため、甘草に換算すると7.5gまで。
医療用漢方製剤148品目の中で甘草が含まれているものは109品目もあり、複数の漢方製剤を服用している患者では、偽アルドステロン症に要注意。
*甘草を多く含む漢方処方
( )内は1日服用量あたりの甘草含有量
・甘草湯(9g)
・芍薬甘草湯(5.0〜6.0g)
・甘麦大棗湯(5.0)
・芍薬甘草附子湯(5.0)
*偽アルドステロン症の機序
偽アルドステロン症は、当初、グリチルリチンの代謝産物であるグリチルレチン酸によるミネラルコルチコイド作用が原因と考えられていた。
しかし、その後の研究においてその説は否定され、グリチルレチン酸がコルチゾールをミネラルコルチコイド受容体活性のないコルチゾンに変換する酵素(11β-hydroxysteroid dehydrogenase)を阻害することで、過剰となったコルチゾールがミネラルコルチコイド受容体を介して、ミネラルコルチコイド作用を発揮することが原因とされている。
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