桃核承気湯や大承気湯、調胃承気湯など、漢方処方に「承気湯」が含まれているものには、大黄と芒硝の生薬が配合されている。
どちらの生薬も便秘を改善する作用を有するが、作用機序が異なる。
*大黄と芒硝の作用機序
大黄は、大腸を刺激して瀉下作用を発揮する。西洋薬でいうセンノシドの働きと同じで、大黄にはセンノシドが含まれている。
一方、芒硝は腸管内の水分量を保持することで緩下作用を発揮する。西洋薬でいう酸化マグネシウムと同じ働き。
*便秘に対する漢方的アプローチ
大黄と芒硝の作用機序の違いから、蠕動運動の低下がみられる場合には大黄を含有されている大黄甘草湯や麻子仁丸、桂枝加芍薬大黄湯が、一方、便が硬く水分を与える必要があれば、芒硝が配合されている桃核承気湯や大承気湯、調胃承気湯が適しているといえる。
また、体全体の水分不足が原因による便秘に対しては、地黄が配合されている補腎剤(八味地黄丸、五車腎気丸)が用いられる。
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