薬剤性難聴とは、薬剤が原因として引き起こされる難聴。
多くは内耳の感覚細胞(有毛細胞)の障害が原因とされている。
*原因薬剤
・アミノグリコシド系抗菌薬
・白金製剤
・サリチル酸製剤
・ループ系利尿剤 など
*特徴
難聴は高音域から始まるため、電子音が聞こえないなどの自覚症状が現れたら難聴を疑う。
また、難聴よりも耳鳴の自覚が先に現れることが多いが、必須の症状ではない。
アミノグリコシド系抗菌薬および白金製剤による難聴は、多くが不可逆性である。
一方、サリチル酸製剤およびループ系利尿剤による難聴は、投薬中止により改善する可逆性の難聴。
ループ系利尿剤では約8割が投与直後に急速に進行するが、他の薬剤では徐々に進行することが多い。
アミノグリコシド系抗菌薬の場合のみ、めまいを伴う(特に硫酸ストレプトマイシン)。他の薬剤では「ピー」「キーン」などの高周波音をともなう耳鳴、耳閉感をともなうことがあるが、めまいやふらつきの出現はみられない。
*遺伝的要因
ミトコンドリア遺伝子の遺伝子多型が、アミドグリコシド系抗菌薬の感受性に関与していることが判っており、母方の家系に難聴の既往が多いとアミドグリコシド系抗菌薬による難聴が起こりやすいと考えられる。
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