薬局薬剤師の勉強日誌

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サイアザイド系がループ系よりも電解質異常を起こしやすい理由

 

サイアザイド系利尿薬とループ系利尿薬には、どちらも尿細管においてNa(ループ系はKも)の再吸収を抑制し、K分泌を亢進させるため、低ナトリウム血症と低カリウム血症の副作用(電解質異常)がある。

ループ系利尿剤の方が、利尿作用が強力であるため電解質異常のリスクが高いと思われがちだが、実際はサイアザイド系利尿薬の方が起こりやすい。

 

 

 

*サイアザイド系の方が起こりやすい理由

ループ系利尿剤は、ヘンレループの上行脚でNa/K/Cl共輸送体を阻害し、Na、K、Clの再吸収を阻害するため、腎髄質の浸透圧を減少させる。

その結果、ヘンレ下行脚における水の再吸収が抑制され、自由水の排泄が増加する(尿濃縮力の低下)。

一方、サイアザイド系利尿薬は、遠位尿細管で作用することから、腎髄質の浸透圧へは影響を与えず、尿濃縮力は保持される。

サイアザイド系は、ループ系よりも尿の濃縮が強力であるため、自由水に対してNaが多く失われることから低Na血症を来しやすい。

また、遠位ネフロンにおけるK分泌の増加量が、ループ系よりも多いため低カリウム血症を来しやすい。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。