薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです


加齢黄斑変性の分類と治療

加齢黄斑変性は、加齢に伴い、網膜の中心部である「黄斑」が障害され、視力低下を引き起こす疾患。

現在日本における視覚障害の原因疾患の第4位で増加傾向にある。

 

 

 

*分類

加齢黄斑変性は、滲出型と委縮型の2つに分類される。

・滲出型:脈絡膜に新生血管が発生し、新生血管からの漏出や出血が黄斑の機能に影響を及ぼす。
・委縮型:網膜色素上皮細胞が委縮することで黄斑の機能が低下する。

日本人においては9割以上が滲出型。


*リスク要因

リスク要因についてはまだ未解明な部分が多い。
酸化ストレスとの関連が示唆されている。
喫煙者は非喫煙者の4倍とされている。
遺伝的要因、高血圧、心血管系疾患が考えられている。

紫外線やブルーライトへの暴露も影響を与えると考えられている。


*自覚症状

加齢黄斑変性の症状は、物の中心が歪んで見える「変視」と視野の一部が欠ける「暗視」、中央が暗く見える「中心暗視」が出現し、視力の低下も進行していく。

緑内障では視野の外側から見えずらくなってくるのに対し、加齢黄斑変性では視野の中心に症状が現れるため、一番見たいところが歪んでいたり、暗く見えなくなる。


*治療法

委縮型については現在治療法がない。
滲出型の加齢黄斑変性の治療としては以下のようなものが挙げられる。

いずれも治療目標は視機能の維持で、劇的な改善は見込めない。


抗VEGF療法

血管内細胞皮増殖因子(VEGF)阻害薬を硝子体内に注射し、病巣部のVEGFを阻害することで新生血管を抑制する。
副作用に眼内炎による眼痛、視力低下、霧視、飛蚊症が起こることがある。

 

光線力学的治療法

光感受性物質のベルテポルフィンを静注し、弱いレーザー光を病変部に照射することで、新生血管に移行したベルテポルフィンと化学反応を起こすことで、新生血管を退縮させる。
治療後48時間は、帽子、サングラス、マスク、手袋などを用いて光を遮断する必要がある。


レーザー凝固術

新生血管を網膜ごとレーザー光で焼灼する治療法。
正常網膜も障害を受け、照射部位の視野が血相するため新生血管が中心窩にない場合にのみ適応。

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。