薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです


肝硬変による腹水に使用すべき利尿薬

肝硬変が進行し、肝予備能が低下すると腹水や肝性脳症、黄疸、胃静脈瘤などの合併症を伴う。 この病態を「非代償性肝硬変」という。 // *腹水に対する利尿薬の選択 腹水の治療では利尿薬が用いられるが、肝硬変の腹水に適している利尿薬について、ガイドラ…

疥癬と治療薬

疥癬とは、ヒセンダニよって引き起こされる感染症。 ヒセンダニは肉眼では確認できないが、虫眼鏡で確認できる程度の小さなダニ。 ヒトの体温がヒセンダニにとっての最適温度であり、ヒトの皮膚の角質層に寄生して、卵を産み付け繁殖する。メスは卵を産むた…

混合してはいけない塗り薬

以下の薬剤は、添付文書にて他剤との混合が禁止されている。 // 【混合してはいけない外用塗布薬】 ・イソジンシュガーパスタ軟膏・ネオヨジンシュガーパスタ軟膏・ネグミンシュガー軟膏・ユーパスタコーワ軟膏・ポビドリンパスタ軟膏・メイスパン配合軟膏・…

点鼻薬性鼻炎

点鼻薬性鼻炎とは、点鼻薬に含まれる血管収縮剤により引き起こされる鼻閉。 主にOTCの点鼻薬に含まれる、ナファゾリンやテトラヒドロゾリンなどのα1受容体作動薬が原因となることが多い。 // *病態 血管収縮剤の点鼻を連用すると、鼻粘膜の毛細血管の収縮が…

脂質異常症治療薬の血清脂質への影響の違い

現在、脂質異常症に使用されてる主な薬剤は、①スタチン系、②フィブラート系、③小腸コレステロールトランスポーター阻害薬に分類される。 血管イベントの予防に重要な血清脂質としては、中性脂肪(TG)、LDLコレステロール(LDL-C)、総コレステロールからHDL…

チラーヂンSによる抗うつ作用

甲状腺機能低下症では、倦怠感や精神不安定、食欲低下、意欲・集中力の低下、無気力・無関心などの症状がみられ、うつ病の症状と類似している。 甲状腺機能低下症による精神症状の慢性化が、うつ病の発症を来す場合もある。 近年の研究では、甲状腺機能低下…

抗うつ剤の増強療法

うつ病の治療において、抗うつ剤の投与で効果が不十分である場合に、非定型抗精神病薬や気分安定薬を併用することがある。 これらの併用療法は「抗うつ剤の増強療法」と呼ばれる。 // *増強療法に使用される薬剤 増強療法では、以下の薬剤などが抗うつ剤と…

テオフィリンと抗菌薬の相互作用

テオフィリンと一部のマクロライド系およびニューキノロン系抗菌薬を併用することで、テオフィリンの血中濃度が上昇する。 以下の薬剤が併用注意になっており、併用する場合にはテオフィリンの減量などを検討する必要がある。 【テオフィリンと併用注意の抗…

ビスホスホネート製剤服用によるインフルエンザ様症状

ボナロン(アレンドロン酸Na)やアクトネル(リセドロン酸Na)などのビスホスホネート製剤を服用した後に、発熱や関節痛、全身倦怠感、頭痛、悪寒などのインフルエンザ様症状が現れることがある。 これらの症状は急性期反応(APR)と呼ばれ、多くの場合で投…

血液透析による痒みと治療薬

透析を受けている患者のうち、6割以上の患者が皮膚の痒み(そう痒症)を訴えるという。 そう痒症は睡眠障害を引き起こし、QOLの低下に直結するため積極的な介入が求められる。 *痒みの原因 // 透析患者のそう痒症は、以下の複数の要因が関わっていると考え…