薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです


疥癬と治療薬

 

疥癬とは、ヒセンダニよって引き起こされる感染症。

ヒセンダニは肉眼では確認できないが、虫眼鏡で確認できる程度の小さなダニ。

ヒトの体温がヒセンダニにとっての最適温度であり、ヒトの皮膚の角質層に寄生して、卵を産み付け繁殖する。メスは卵を産むために皮膚に横穴(疥癬トンネル)を掘り、卵を産みつける。

また、ヒトからヒトへの感染もみられ、直接皮膚と皮膚の接触による感染の他に、衣類や寝具などを介して間接的にも感染する。

 

 

 

*症状

主な症状は皮膚の痒みや皮疹、角質増殖で、他の症状はほとんどみられないが、その痒みはかなり強く、不眠など日常生活に支障を来たすこともある。

 

*タイプ

疥癬は、通常疥癬と角化型疥癬の2つのタイプに分けられている。

 

通常疥癬
患者の免疫力は正常の状態。ヒゼンダニの数が数十匹以下で感染力は弱い。潜伏期間は1〜2ヶ月。
痒みが強く、丘疹や結節、疥癬トンネルが顔と頭以外の全身みられる。

 

角化型疥癬
患者の免疫力が低下している時に発症しやすい。ヒセンダニの数が100万〜200万匹と多く、感染力が強い。潜伏期間は5日程度。
痒みの強さは個人差があるが、全身の皮膚で角質の異常増殖がみられ、剥がれ落ちた角質からも感染する。

 

 

*治療薬

内服薬としては、ダニを殺すイベルメクチン(ストロメクトール)の他に抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬。

外用薬として、クロタミトン(オイラックス)、イオウサリチル酸チアントール、ベルメトリンなどを使用する。

ステロイド外用薬は免疫力を低下させ、症状を助長させる恐れがあるため原則使用しない(ヒセンダニのライフサイクルは卵から14日程度なので、イルベメクチン投与後14日以降は使用可能)。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。