薬局薬剤師の勉強日誌

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ビスホスホネート製剤服用によるインフルエンザ様症状

 

ボナロン(アレンドロン酸Na)やアクトネル(リセドロン酸Na)などのビスホスホネート製剤を服用した後に、発熱や関節痛、全身倦怠感、頭痛、悪寒などのインフルエンザ様症状が現れることがある。

これらの症状は急性期反応(APR)と呼ばれ、多くの場合で投与数時間後から数日の間で発生し、1週間以内に消失する。

 

APRは第2世代以降のビスホスホネート製剤でみられ、ダイドロネル(エチドロネート)などの第1世代のビスホスホネート製剤ではみられない。

また、経口薬の場合では1回に服用する量が多いほど頻度が高いため、1日1回製剤よりも週1回製剤、月1回製剤の方が起こりやすい。

 

 

 

*原因

ビスホスホネート製剤は、破骨細胞においてイソペンテニルピロリン酸からファルネシルピロリン酸への合成経路を阻害して骨吸収を抑制する。そのため、イソペンテニルピロリン酸が合成に利用されずに増加する。

イソペンテニルピロリン酸は、IL-6やTNF-αなどの炎症性サイトカインの産生を促進するため、APRを引き起こすと考えられている。

 

*リスク要因

ARPには以下の様なリスク要因があることが判っている。

 

【ARPのリスク要因】

・経口ビスホスホネート製剤の初回投与
・アジア人(日本人以外)
・若年者
・NSAIDsの使用
・ビタミンD欠乏

 

*治療

APRの症状は軽症で短期間であることが多いため、ビスホスホネート製剤の中止は必要ない。

必要に応じてアセトアミノフェンなどを投与する。

 

海外の研究において、ゾレドロン酸Naを投与開始する45分前から6時間ごとにアセトアミノフェンを6日間投与、別の研究では、ゾレドロン酸Na投与後4〜6時間ごとにアセトアミノフェンまたはイブプロフェンを3日間投与することで、発熱が有意に抑制されたとの報告がある。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。