薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです


アーガメイト・カリメート・ケイキサレートの違いと使い分け

 

アーガメイト、カリメート、ケイキサレートは陽イオン交換樹脂製剤。

消化管内でカルシウムイオンまたはナトリウムイオンを放出し、代わりにカリウムイオンを吸着する。

血中カリウム濃度上昇を抑制することを目的に、主に慢性腎不全患者に投与される。

以下、比較まとめ。

 

*一般名

アーガメイト・・・ポリスチレンスルホン酸カルシウム

カリメート・・・ポリスチレンスルホン酸カルシウム

ケイキサレート・・・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム

 

*剤型

アーガメイト・・・ゼリー / 顆粒

カリメート・・・散 / ドライシロップ / 経口液

ケイキサレート・・・散 / ドライシロップ

 

*1個・1包当たりの含量(有効成分量)

3剤全ての剤型の分包製品において、1個・1包当たりに含まれている有効成分量は5g。

 

*カリウム交換能

理論上、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムはポリスチレンスルホン酸カルシウムよりも2倍のカリウムを交換することができる。

⇒ ケイキサレートのカリウム交換能は他剤の2倍であるため、他剤の半分量で同等の効果が得られると考えられる。

 

*使い分け

・服用のしやすさは一般にゼリー、経口液、ドライシロップ、散の順で高いとされているが、携帯性においてゼリーは不利。患者の好みやライフスタイルに合わせて選択する。

・高血圧患者やナトリウム制限を受けてる患者には、ナトリウムを含むケイキサレートは不適。

・陽イオン交換樹脂は不溶性であるため、共通の副作用として便秘があるが、アーガメイトゼリーでは添加物のマルチトーストによる緩下作用が便秘の改善に寄与している可能性があるとの報告がある。

・アーガメイト、カリメートで便秘がみられる場合は、ケイキサレートが通常の半分量で投与されることがある(便秘の原因となる陰イオン交換樹脂の量は半分で、効果は同等のため)。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。