ドンペリドン(ナウゼリン)とメトクロプラミド(プリンペラン)は、どちらもよく使われる制吐剤。
以下、違いなどまとめ。
*作用機序
どちらも中枢(CTZ:化学受容器引金帯)のドパミンD2受容体を遮断することで中枢性の吐き気を抑制し、また、抹消のドパミンD2受容体を遮断することで副交感神経末からのアセチルコリン遊離を促進し、消化管運動を亢進させる。
*効果
メトクロプラミドとドンペリドンでは、効果に有意差はないとされている。
メトクロプラミドでは、癌患者における嘔気・嘔吐を緩和させる効果が確認されている。
*副作用
共通の副作用として、錐体外路症状、高プロラクチン血症などが挙げられる。
メトクロプラミドは、ドンペリドンよりも血液脳関門を通り抜けやすいため、錐体外路症状や眠気などの中枢性の副作用を起こしやすい(特に小児では要注意)。
ドンペリドンは、不整脈と心臓突然死のリスク増加が指摘されている(ドンペリドン30mg/day以上の継続的な服用で心臓突然死のリスクが有意に増加との報告あり)。
*妊婦への安全性
ドンペリドンは妊婦に禁忌。メトクロプラミドは有益性投与。
ドンペリドンでは、動物実験において胎児の骨格、内臓異常などの催奇形性作用が報告されている。
*まとめ
妊娠中の悪阻や心疾患の既往がある場合はプリンペラン、授乳婦や小児にはナウゼリンが適している。
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