腎結石・尿管結石の患者にタムスロシン(ハルナール)が処方されることがある。
この処方は保険適応外だが、タムスロシンによる結石排泄促進作用を期待するため。
*機序
タムスロシンが尿路に存在するα1受容体を遮断することで平滑筋が弛緩し、結石の排石が促進されると考えられている。
*効果
2016年のメタ解析において、α1遮断薬服用群(主にタムスロシン)はプラセボ群と比較して、5mm以上の結石の排石率が有意に高いことが示された。この排石促進効果は、結石が尿路上部でも尿路下部においても確認されている。
しかし、このメタ解析研究に用いられた各々の試験自体が小規模で厳密でないものが多かったり、その後の研究ではプラセボとの有意性が確認できなかったり、日本人におけるエビデンスが不足しているなどの問題点があり、再検証の必要があるとの意見がある。
*他のα1遮断薬では?
疑念点はあるが、タムスロシンに十分な効果があると仮定すると他のα1遮断薬でも一定の効果が期待できると推察できるが、エビデンスは乏しい。
また、尿路に存在するα1受容体のサブタイプはα1Aであるため、α1A受容体に選択性の高いタムスロシンが特に著効を示すと考えられる。
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