ベタヒスチン(メリスロン)は、通常めまいの改善のために使用されるが、認知症治療の補助療法として投与されることがある。
大規模な臨床研究はまだされていないが、ベタヒスチンによる記憶回復効果が期待されている。
*考えられるメカニズム
ベタヒスチンは、神経線維のヒスタミンH3受容体を遮断することで、神経シナプスでのヒスタミンの放出を促進することが確認されている。
ヒスタミンは、記憶に関与する神経細胞を活性化させ、記憶の回復を促すことが示唆されており、ベタヒスチンの服用により、脳内のヒスタミン濃度が高くなることで記憶回復効果を発揮すると考えられる。
*研究報告
2019年に東京大学、北海道大学、京都大学など共同で行われた研究。
男女38名に128枚の写真を見せ、1週間後に同じ写真32枚、類似の写真32枚、新しい写真32枚を見せ、何枚同じ写真を見分けられるかをベタヒスチン投与群とプラセボ投与群で比較検証した。
その結果、ベタヒスチン投与群はプラセボ投与群と比較して正答率が有意に高かった。
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