リンゼス(リナクロチド)とアミティーザ(ルビプロストン)は、慢性便秘症に適応を持つ新規機序薬。
作用機序は異なるが、どちらも上皮機能変容薬に分類される。
上皮機能変容薬とは、小腸において腸液の分泌を促進させることで排便を促す便秘改善薬。慢性便秘症診療ガイドラインでは、浸透圧性下剤と共に「強い推奨」とされている。
違いと使い分けについて、以下まとめ。
*作用
リンゼス
小腸の管腔表面にあるグアニル酸シクラーゼC受容体を活性化させ、大腸の機能促進作用や痛覚過敏抑制作用により、排便異常や腹痛などを改善する。
アミティーザ
小腸のクロライドチャネルを活性化させ、腸管管腔内へ水分分泌を促進することで排便を促す。
*適応症
リンゼス
慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
便秘型過敏性腸症候群
アミティーザ
慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
*用法・用量
リンゼス
1回0.5mgを1日1回、食前に服用
※ 下痢を防ぐため食前服用
アミティーザ
1回24μgを1日2回、朝・夕食後に服用
※ 悪心を防ぐため食後服用
*使い分け
・アミティーザは妊婦に禁忌。また若年女性で悪心が生じやすい。
・リンゼスは、内臓痛覚神経繊維にも作用するため、腹痛や不快感の改善も期待される。
・過敏性腸症候群による便秘の場合は、リンゼスが適する。
・リンゼスは効きすぎる場合があり(便失禁に至ることも)、症状の軽い便秘症や長時間トイレに行けない職業の患者などには不適。
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