アニサキス属線虫の幼虫が寄生する魚介類を食した際に、消化管アニサキス症を発症する場合がある。
アニサキスの幼虫は海産の魚介類に寄生しており、加熱により死滅するが生食した場合や塩漬け、酢漬けしたものを食した場合に発症することがある。
感染原因症は鯖が最も多いと考えられている。
*症状
アニサキスの幼虫が胃粘膜や腸粘膜に付着し、穿入すると発症する。
症状は軽微な緩和型である場合が多いが、劇症型の場合は激しい腹痛や吐き気、嘔吐を伴うこともある。
原因食物を摂取してから発症までの時間は、胃アニサキスの場合は8時間以内、腸アニサキスの場合は数時間から数日後に発症する。
*治療
胃アニサキスの治療は、胃内視鏡による幼虫の摘出が有効。
腸アニサキスの場合は、対症療法(ステロイドや抗アレルギー薬)で経過観察になることが多く、腸閉塞などを合併し重症化する場合には、外科的治療も行われる。
薬物治療としては、木クレオソートを含有する正露丸の有効性が示唆されている。
服用量としては、成人で木クレオソートとして2〜25mg/kg/dayが望ましいとされている。
*正露丸が有効である理由
in vitro(非生体内)においてアニサキスは、水の中では1時間以上動き続けたのに対し、木クレオソート溶解液では濃度依存的に生体の運動活動の抑制が確認されたとの報告がある。
このことから、木クレオソートにはアニサキスの幼虫の生体活動を抑制する作用があると考えられる。
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