イノラス配合経腸用液の特徴と注意点について、以下まとめ。
*特徴
・ラコールNF配合と同じアルミパウチ包装であるため、比較的持ち運びやすい。
・フレーバーは、ヨーグルトとりんごの2種類(高齢になると甘みを感じにくくなる傾向があるため、甘さは控えめで酸味のあるフレーバーを採用)。
・半消化態の経腸栄養剤の中で、1mLあたりのカロリーが1.6 kcalと最も高い。
⇒ 少量で効率的にエネルギーを補給できるため、たくさんの量を飲めない患者や水分制限を受けている患者で使いやすい。
・3大栄養素の構成比率がタンパク質16%、脂質29%、糖質55%と他の経腸栄養剤よりもタンパク質が多めに配合されている。
・1日3袋の服用で、「日本人の食事摂取基準」で求められているビタミンおよび微量元素の1日摂取量を満たすことができる。
・微量元素として、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、カルニチン、コリンを含むため、長期投与でもこれらの欠乏症を起こしにくい。
・糖質源として精製白糖は使用せずに、デキストリンのみを使用している。
・ω-3系脂肪酸とω-6系脂肪酸が、1:3の割合で配合されている。
・ω-3系脂肪酸の供給源として、シソ油と魚油を配合している。
*注意点
・牛乳アレルギーの患者には禁忌。
・経口食により十分な栄養摂取が可能となった場合には、速やかに経口食に切り替える。
・半消化態栄養剤の中で最も浸透圧が高いため、浸透圧性の下痢が起こりやすい。
・ビタミンKが配合されているため、ワルファリンの作用を減弱させる。
・水分含有量は75%と他の経腸栄養剤よりも低いため、他剤からの切り替え時には脱水などに注意する。
・開封後は冷蔵庫に保管して、24時間以内に服用する。
※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。