薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです


気管支喘息とGERDの関係

 

気管支喘息と胃逆流症(GERD)はしばしば合併してみられ、それぞれの発症・進展に相互に関与していることが示唆されている。

 

 

 

*GERDの気管支喘息への影響

気管支喘息患者では、GERDを合併することで喘息症状の重症化がみられる。

理由としては以下の2つが考えられる。

①逆流した胃内容物を誤嚥することで気管が障害を受けるため。
②胃食道逆流による酸刺激が下部食道の迷走神経を刺激し気道攣縮を引き起こすため。

 

*気管支喘息のGERDへの影響

成人の気管支喘息患者の63%がGERDの症状を訴え、その内22%は内視鏡検査により逆流性食道炎と診断されたとの報告がある。このことから、気管支喘息がGERDを発症・増悪させるという可能性が指摘されている。

気管支喘息がGERDを発症・増悪させる機序は明確になっていないが、次の理由が考えられる。

①喘息発作時に肺が過剰に膨張することで、横隔膜が下がり胃食道接合部が伸展し、下部食道括約筋の圧力(LES圧)が低下する。
②喘息発作時の努力呼出時や咳嗽時に胸腔内が陰圧になることで、腹腔と胸腔の圧力差が高まり、胃内容物の逆流が起きやすくなる。

 

 

 

*気管支喘息治療薬による影響も

テオフィリン製剤や経口β2刺激薬はLES圧を低下させるため、これら薬剤による治療の影響もGERDの発症・増悪にを引き起こす。
さらに、テオフィリン製剤は胃酸分泌も亢進させるためよりGERDの増悪に関与すると考えられる。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。