胃食道逆流症(GERD)の長期治療戦略として、「オンデマンド療法」の有効性が注目されている。
「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015」では、オンデマンド療法を以下のように定義しており、一部のGERDの長期管理として推奨している。
オンデマンド療法とは、いったん症状が消失したのち、胸やけなどの症状が再発した場合に内服を再開し、症状が消失すれば服薬を終了するもので、患者が「必要に応じて」服薬する治療法である。
一般的に言うと、症状を自覚しない場合にはPPIは服用せずに、症状が出た時や症状が出そうと感じた時点でPPIを頓服する方法。
*治療効果
オメプラゾール20mgによるのオンデマンド療法は、オメプラゾール20mgによる維持療法(連日服用)と比べ症状再発率は高かったものの、QOLの改善においては有意差がみられなかった報告がある。
*全てのGERDで適応されるか
オンデマンド療法を適応すべきGERDは、PPIに反応するNERDか、症状が軽度〜中程度(Grade A or B)の逆流性食道炎とされている。
比較的重度(Grade C or D)の逆流性食道炎は維持療法(PPIの連日服用)や外科的治療が推奨されている。
NERDと逆流性食道炎の違いについてはこちら↓
https://www.yakuzaishibn.work/entry/2019/12/29/190000
※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。