高山病は、登山時における低酸素環境によって引き起こされる酸素欠乏症。
酸素濃度が徐々に低下していく環境においては、延髄の呼吸中枢の活性化などにより、肺における酸素の取り込みが促進されるため、酸素欠乏状態になることは少ないが、登山時など急激に酸素濃度が低下する場合には呼吸中枢が順応できずに発症してしまう。
症状は、頭痛、疲労、吐き気、食欲不振、息切れ、錯乱など。重度になると、高地脳浮腫、高地肺水腫などを併発する場合もあり。
標高2500mで約20%、標高3000mで約40%の人に何かしらの症状が現れるといわれている。
*予防薬としてのダイアモックス
しばしば、症状の予防や軽減にダイアモックス(アセタゾラミド)が使用される。
通常、24〜48時間かかる高所順応を、約12〜24時間に短縮する効果があるとされている。
*作用機序
炭酸脱水素酵素を阻害することで、腎臓からの重炭酸イオンの排出を促進し、代謝性アシドーシスを引き起こす。そのことにより呼吸中枢を刺激し、肺での酸素の取り込み量を増加させる。
また、脳血管を拡張させることで、脳内の低酸素状態が改善することも寄与すると考えられる。
*投与方法
予防的に服用する場合は、標高3000m以上の高地へ登る前日の朝から4日間、1日250mgを朝・夕の分2で服用する。5日目以降の服用は不要とされる。
また、症状が出始めてから頓服で投与する場合もある。
*注意点
・高山病の症状は様々であり、全ての症状に効果があるわけではない。
・服用しても症状の改善がみられない場合は、下山するなどの対応が必要。
・高山病に対する保険適応はないため、自費診療扱いになる。
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