以前は透析を受けている骨粗鬆症患者に対して、ビスホスホネート系製剤やSERM、RANLK阻害剤などの骨吸収抑制薬の使用は推奨されていなかったが、近年では、骨吸収抑制薬は骨量を増加させ、骨からのリンの遊離を抑制することから、投与が推奨されている。
*腎機能低下と骨ミネラル代謝異常
腎機能が低下するとリンの排出が悪くなり、血清リンが増加する。
また、腎機能が低下するとビタミンD活性化作用が弱まり、血中カルシウム濃度が低下する。
血中リン濃度の上昇、血中カルシウム濃度の低下は共に、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を促進し、その結果、骨吸収を促進する。
骨吸収が起こると骨密度の低下と共に、カルシウム・リンの血中濃度が上昇し、カルシウムとリンの過剰状態は、血管の石灰化や腎機能の悪化をもたらす。
このようにCKDにより引き起こされるカルシウム・リンの骨代謝異常を「CKD-MBD (CKD-mineral and bone disorder) 」という。
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