トルリシティ(デュラグリチド(遺伝子組み換え))は、GLP-1受容体作動薬で2型糖尿病の治療に用いられる。
トルリシティ投与により、重篤な下痢が引き起こされる場合がある。
*機序
GLP-1は消化管に作用し、消化管運動低下や胃内容排泄遅延を引き起こすことが判っており、そのことにより腸内容物が停滞し、細菌が異常に増殖することが関与していると考えられている。
過剰に増殖した腸内細菌が抱合型の胆汁酸を脱抱し、ミセル形成障害を来すことで、脂肪の吸収が阻害される。
吸収されずに残った脂肪や遊離型の胆汁酸が腸管を刺激し、下痢を引き起こす。
*下痢への対応
GLP-1作動薬による下痢への対処方法は確立されておらず、必要に応じて脱水に対する経口補水液の摂取や点滴などを行う。
消化器運動抑制により下痢が起こるため、ロペラミドなどの腸管運動抑制薬の使用は避けるべきと考えられる。
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