経口抗がん薬のゼローダ(カペシタビン)の特徴的な副作用として手足症候群が挙げられる。その症状は対策により予防・軽減することが可能であるため投薬時・服用後のフォローが重要。
*手足症候群とは
手足の皮膚の細胞が障害されることで、手足の感覚異常や発赤、腫脹などが症状として現れる。
用量依存的に発症頻度が上がり、ゼローダ服用患者の約半数で発症するとの報告がある。
服用開始2週目から数ヶ月間で発現しやすいとされており、早期に休薬すれば短期間で回復することが多い。
*重症度(Grade)評価基準
手足症候群の重症度は以下のような基準で評価される。
Grade1(日常生活に制限を受けることのない症状)
痺れ、皮膚知覚過敏、ヒリヒリ・チクチク感、無痛性腫脹、無痛性紅斑、色素沈着、爪の変形
Grade2(日常生活に制限を受ける症状)
腫脹を伴う有痛性腫紅斑、爪甲の高度な変形・脱落
Grade3(必定生活を遂行できない症状)
湿疹痂皮・落屑、水疱、潰瘍、強い痛み
※ 痛みを伴っていたり、日常生活に支障がある場合はGrade2に該当し、ゼローダの休薬基準に該当するため、早急な服用中止が必要。
*予防・悪化防止の為の指導
日常における予防方法として、以下のようなことに心がける。
・手足をしっかりと保湿する(尿素含有製剤は亀裂部の刺激となるため注意)。
・長時間の立ち仕事や歩行を避ける。
・厚めでキツくない靴下を履く。
・足に合った柔らかい靴を履き、靴紐を強く結ばない。
・圧のかかりにくい靴の中敷きを使用(ジェルや低反発性)。
・物を使用するときは強く握りしめない。
・界面活性剤による刺激を避ける(皿洗い時などにゴム手袋を使用)。
・熱い風呂やシャワーを控える。
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