プロトンポンプ阻害剤(PPI)の服用により、下痢が継続して起こることがある。
原因として、偽膜性大腸炎によるものと膠原線維性大腸炎によるものがあると考えられる。
いずれもPPIの中止で改善される。
*偽膜性大腸炎
クロストリジウム・ディフィシル菌が異常に増殖して起こる感染性大腸炎。
PPIにより胃酸の分泌が抑制され、胃酸による殺菌効果が低下することで、腸内細菌叢が乱れ引き起こされる(菌交代症)。
H2ブロッカーや抗菌薬でも起こる可能性がある。
*膠原線維性大腸炎
慢性的な水溶性非血性下痢が特徴。コラーゲン蓄積大腸炎とも呼ばれる。
顕微鏡的大腸炎の1つ。内視鏡では正常の外観だが、生検では炎症や膠原線維束が認められる。
PPIの中でも、ランソプラゾールで多くみられる。
PPI以外にもNSAIDsやチクロピジンなども原因となる。
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