べオーバ(ビベクロン)は、過活動膀胱の治療薬。
膀胱平滑筋のアドレナリンβ3受容体を特異的に刺激することで膀胱排尿筋を弛緩させ、膀胱の容量を大きくする。
同じ作用機序の薬としては、ミラベクロン(ベタニス)が挙げられる。
以下、特徴まとめ(ベタニスとの比較)。
*適応症
べオーバ、ベタニスどちらも適応症は以下で同じ。
過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
*効果
直接、べオーバとベタニスの治療効果を比較した試験はないが、それぞれのプラセボとの比較試験からみると、効果は同程度と考えられる。
*安全性
ベタニスでは、心臓のβ2受容体への関与も有するため重篤な心疾患は禁忌となっているが、べオーバはβ3受容体への選択性がより高いため、心機能への影響は少なく禁忌ではない。
また、べオーバは、ベタニスでは禁忌である妊婦・授乳婦への投与、重度の肝機能障害者も禁忌に指定されていない(べオーバの禁忌は、本剤の成分に過敏症の既往がある患者のみ)。
さらに、ベタニスでみられるラットにおいての生殖器系への影響もべオーバでは確認されていないため、若年者への投与に適している。
*相互作用
ベタニスは、CYP2D6阻害作用とP糖タンパク阻害作用がある。
一方、べオーバにはCYPの誘導作用や阻害作用はないが、CYP3A4とP糖タンパクの基質であるため、これらを阻害する薬剤との併用には注意する。
また、ベタニスはフレカイニドやプロパフェノンと併用すると、共に催不整脈作用を有するためQT延長や心室性不整脈を起こしやすくなることから併用禁忌になっている。
*食事の影響
べオーバとベタニス共に、血中濃度は食事の影響を受ける。
空腹時に服用すると吸収が増大し、Cmax、AUCが大きくなるため、必ず食後に服用する。
*まとめ
今のところ、べオーバはベタニスと比べて効果はほぼ同等で、安全性は高いと言える。
※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。