薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです


標準偏差とは

標準偏差(Standard Deviation:SD)とは、標本(値、データ)のばらつきの指標。 「それぞれの値とそれらの平均値の差の2乗の合計を、値の総数(n)で割った値の平方根」で算出できる。 ⇒ "それぞれの値が平均値から離れている値"の平均値 標準偏差が大きい…

フレイルとは

フレイルは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、加齢により心身が老い衰えた状態。 加齢に伴い、意図しない衰弱、筋力の低下、活動性の低下、認知機能の低下、精神活動の低下などの脆弱な状態(=フレイル)を経て要介護状態へと移行することが多いこ…

簡易懸濁法とは

簡易懸濁法とは、錠剤粉砕や脱カプセルをせずに、錠剤・カプセルをそのまま55℃のお湯に崩壊、懸濁させて、経管投与する方法。 55℃である理由は、日本薬局方によりカプセルは37±2℃の水で10分以内に溶けることと規定されており、10分間室温で放置しても37℃以下…

「抗菌薬」と「抗生物質」

しばしば「抗菌薬」と「抗生物質」は同じ意味で用いられるが、厳密には定義が異なる。 抗菌薬の定義 細菌に対して破壊または育成抑制の作用をもつ薬剤 抗生物質の定義 微生物が産生し、細菌やその他の微生物、癌細胞の育成を抑え、さらには破壊するような能…

オンデマンド療法とは

胃食道逆流症(GERD)の長期治療戦略として、「オンデマンド療法」の有効性が注目されている。 「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015」では、オンデマンド療法を以下のように定義しており、一部のGERDの長期管理として推奨している。 オンデマンド療…

メジャートランキライザーとマイナートランキライザー

トランキライザーとは、現在においてはほとんど使われることはなくなった用語で、「精神安定剤」という意味。 トランキライザーの中でも、抗精神病作用のあるものは「メジャートランキライザー」、抗不安作用のあるものは「マイナートランキライザー」と呼ば…

インペアード・パフォーマンスとは

インペアード・パフォーマンスとは、抗ヒスタミン薬の投与によって集中力や判断力、作業能力などが低下してしまうこと。 抗ヒスタミン薬による眠気とは別の意味で定義されており、眠気が現れない場合でもインペアード・パフォーマンスがみられることがある。…

レスピラトリーキノロンとは

レスピラトリーキノロンとは、呼吸器感染症の主要起炎菌に対する有効性が十分であり、肺組織への移行性が高いキノロン系抗菌薬のこと。 レスピラトリー(Respiratory)とは、呼吸器という意味。 *経口レスピラトリーキノロン ・ラスビック(ラスクフロキサ…

ADLとIADLとは

*ADL Activities of Daily Livingの略。日本語で、日常生活動作。 日常的に行なっている行為、行動のこと。 食事、排泄、整容、移動、入浴などの基本的動作。 ADLが自立している場合は、通常介護を必要としない。 *IADL Instrumental Activities of Daily …

新鮮な心筋梗塞とは

レボチロキシンナトリウム(チラーヂンS)、リオチロニンナトリウム(チロナミン)の禁忌項目には、「新鮮な心筋梗塞のある患者」とある。 新鮮な心筋梗塞とは、急性心筋梗塞とも呼ばれ、発症から1〜2ヶ月間の状態をいう。 それ以降のものを陳旧性心筋梗塞と…

ユニバーサルクリームとは

ネリゾナにはクリームの他に、ユニバーサルクリームという剤型がある。 クリームの基剤は「O/W型」 ユニバーサルクリームの基剤は「W/O型」 *特徴 ユニバーサルクリームは、軟膏とO/W型クリームの中間的な性質。 軟膏よりかはベタつかず、クリームよりは刺…

GERDとNERDと逆流性食道炎

GERD(胃食道逆流症)とは、「胃内容物の逆流により臨床症状や合併症を生じた病態の総称」と定義されている。 自覚症状としては、胸焼け、胸痛、喉の不快感、呑酸、咳、睡眠障害など。空腹時や夜間の胸焼けが特徴的。 GERDは、主に下部食道に粘膜障害を認め…

バイオシミラーとは(ジェネリックとの違い)

バイオシミラーとは、インスリンやモノクローナル抗体などの生物学的製剤である「バイオ医薬品」の後続品のこと。 先行バイオ医薬品の“類似”のものであると承認された医薬品で、「バイオ後続品」とも呼ばれる。 品質特性において、先行バイオ医薬品と類似性…

アルドステロン・ブレイクスルー

レニン・アンジオテンシン系を阻害するARBやACE阻害薬を服用しているにも関わらず、何らかの理由でアルドステロンが増えてしまうことがある。これをアルドステロン・ブレイクスルーという。 服用開始の約1ヶ月後から、10〜50%の割合でみられる。 *メカニズ…

ARBのインバースアゴニスト作用

アンジテンシンAT1受容体は、リガンドであるアンジオテンシンⅡが結合していない状態でも一定の活性を持っていて、これを自律活性という。 インバースアゴニスト作用(受容体逆作動薬作用)とは、一部のARBが有している自律活性を抑制し、受容体を部分活性か…

エンピリックセラピーとデ・エスカレーション

抗菌薬による治療では、エンピリックセラピーとデ・エスカレーションの2種類の治療方針が使い分けられることが多い。 *エンピリックセラピー 感染症を発症した際には、原因菌を特定した後に抗菌薬を選択するのが原則。 しかし、原因菌の特定には時間がかか…

心房細動におけるレートコントロールとリズムコントロール

レートコントロール・・・心房細動はそのままの状態で、心拍数を減らすように制御すること。 リズムコントロール・・・心房細動を停止させて、リズムそのものを制御すること。 *治療法 レートコントロール・・・ジギタリス製剤、ベラパミル、βブロッカー リ…

アカシジアとジスキネジア

*症状 アカシジア・・・じっとしていられない、座ったままでいられない、下肢のムズムズ感、足踏みなどの多動 ⇒ 我慢できずに体を動かしてしまう、不安・焦燥感などの精神症状を伴うのが特徴。 ジスキネジア・・・顔を歪める、舌を突き出す、唇をすぼめる、…

臨床的イナーシャとは

生活習慣病領域で「臨床的イナーシャ」という言葉が使われることが多くなっている。 「イナーシャ(inertia)」 = 「慣性、惰性、怠惰」 つまり臨床的イナーシャとは、臨床的にみて必要な医療を開始しなかったり、強化をしないということ。 臨床的イナーシャ…

ALTとASLの違い

AST:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ ALT:アラニンアミノトランスフェラーゼ *存在する場所の違い AST・・・肝臓以外の全身にも存在する ALT・・・肝臓に特異的に存在する *半減期の違い AST・・・約12時間 ALT・・・約40時間 ⇒ 半減期の差を利…