2016年に発表された研究によると、NSAIDsを服用した場合、そうでないと比べて、2週間以内に心不全で入院するリスクが19%高くなることが示唆された。
*研究詳細
ドイツ・イタリア・オランダ・イギリスの患者の1999〜2010年の診療記録を調査した後ろ向き研究。
心不全による入院例約9万2000万件と入院歴のない820万人を比較した結果、2週間以内にNSAIDsの処方を受けた患者は心不全による入院リスクが19%高かった。
*NSAIDsの種類による差
NSAIDsの中でも、ジクロフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、ナプロキセン、ピロキシカムなどでは特に心不全リスクが高い一方で、セレコキシブの通常量での服用では心不全リスクの上昇はみられなかった。
*考えられる機序
NSAIDsがプロスタグランジン(PG)合成を阻害することにより、PGE2による腎におけるナトリウム利尿作用を抑制し、心負荷を増加させることが関与していると考えられる。
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