急性上気道炎に伴う鼻炎により、嗅覚障害を来すことが多い。
たいていの場合、鼻炎の改善に伴い嗅覚障害は消失するが、患者によっては持続する場合があり、これを、感冒後嗅覚障害という。
*感冒性嗅覚障害の病態
感冒後嗅覚障害は、嗅粘膜や嗅覚伝導路にウイルスが感染し、直接的または免疫応答に伴って二次的に嗅細胞が障害されることで発症すると考えられている。
症状としては、嗅覚の低下や本来とは異なるにおいを感じる異嗅症の他に、味覚の低下を伴うことも多い。
*治療薬
治療薬としては、当帰芍薬散、亜鉛製剤、ステロイド(内服・点鼻)、ビタミン製剤などが投与される。
中でも、当帰芍薬散に関しては、中等度以上の感冒後嗅覚障害の患者で51%以上の治癒率を示した研究がある。
当帰芍薬散が感冒性嗅覚障害に効果を示す理由としては、血液粘度を低下させて血液循環を改善することや、嗅球の神経成長因子を増加させる作用が関与していると考えられる。
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