薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです


各ARBの特徴まとめ

 

それぞれのARBの特徴について、以下まとめ(降圧力の強い順)。

 

*アジルバ(アジルサルタン)

・最も降圧力が高い。
・半減期がそこそこ長く、組織移行性が高い。
・夜間・早朝高血圧に適する。
・主にCYP2C9により代謝される。

 

*オルメテック(オルメサルタン)

・降圧力が高く、半減期も長い。
・AT1受容体親和性が高いため、臓器保護作用は弱い。
・抗酸化作用、抗ストレス作用、抗コレステロール作用、脳血流量増加作用を併せ持つ。
・代謝はほとんど受けず、未変化体として胆汁中と尿中に排泄される。

 

*ミカルディス(テルミサルタン)

・半減期が最も長く、24時間持続的な降圧作用がある。
・夜間・早朝高血圧に適する。腎保護作用が期待できる
・PPARγ活性化作用があるため、インスリン抵抗性改善作用や脂質代謝改善作用も。
・空腹時服用で血中濃度が上昇する。
・ほとんどがグルクロン酸抱合により代謝されて胆汁で排泄されるため、腎機能が低下している患者に使いやすい。

 

*プロブレス(カンデサルタン)

・ACE阻害薬投与が適切でない場合の慢性心不全に適応あり。
・CYP2C9の基質となるが、主に未変化体として胆汁中と尿中に排泄される。

 

*イルベタン/アバプロ(イルベサルタン)

・半減期は長いが、最大用量が物足りない。
・腎症に対する効果の試験データが豊富にある。
・尿酸排泄作用・PPARγ活性化作用あり。
・主にCYP2C9により代謝される。

 

*ディオバン(バルサルタン)

・半減期が短いので1日2回または眠前投与が適する。
・AT1受容体親和性が高い。
・認知機能改善効果が確認されている。
・CYP2C9の基質となるが主に未変化体として胆汁排泄される。

 

*ニューロタン(ロサルタン)

・降圧力は弱いが、糖尿病性腎症に適応あり。
・尿酸排泄作用も有する。
・作用がマイルドなため、血圧は下げたくないが、心保護作用や腎保護作用を得たい場合に少量(0.125mg/day)で投与されることがある。
・主にCYP2C9により代謝。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。