アンジテンシンAT1受容体は、リガンドであるアンジオテンシンⅡが結合していない状態でも一定の活性を持っていて、これを自律活性という。
インバースアゴニスト作用(受容体逆作動薬作用)とは、一部のARBが有している自律活性を抑制し、受容体を部分活性から不活性化へ移行させる作用のこと。
アンタゴニスト(拮抗薬)は受容体にフタをするだけで、受容体の機能には影響を与える事はないが、インバースアゴニストは受容体を抑制するように刺激するため、アンタゴニストよりも強力に受容体を阻害する。
また、AT1受容体の自律活性作用は、心肥大や心筋の繊維化に関与しているためインバースアゴニスト作用を持つARBは、心臓や腎の保護作用が強いとされている。
しかし、臓器保護作用はインバースアゴニスト作用以外によってももたらされるため単純比較はできず、臨床上はインバースアゴニスト作用の有無で効果に違いがあるかは不明。
*インバースアゴニスト作用を持つARB
・アジルバ(アジルサルタン)
・カンデサルタン(ブロプレス)
・バルサルタン(ディオバン)
・オルメサルタン(オルメテック)
・イルベサルタン(イルベタン/アバプロ)
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