一般的に、コンタクトレンズ使用者が点眼薬を使用する場合は、コンタクトレンズを外してから点眼し、点眼の5〜15分後に再装着する。
コンタクトレンズ着脱の手間がかかることでアドヒアランス(コンプライアンス)の悪化が懸念される場合などは、装着したまま点眼するように指導する場合もある。
しかし、塩化ベンザルコニウムを含む点眼薬の場合には注意が必要。
*塩化ベンザルコニウム
塩化ベンザルコニウム(ベンザルコニウム塩化物)は、点眼薬に広く添加されている防腐剤。
コンタクトレンズを装着したまま塩化ベンザルコニウムを含む点眼薬を使用した場合、塩化ベンザルコニウムがコンタクトレンズに吸着・蓄積することで、高濃度で長時間に渡り角膜と接触し、角膜上皮障害を引き起こすことがある。
また、コンタクトレンズの変形や変色の原因となる可能性も。
*コンタクトレンズの種類による影響の差
使用しているコンタクトレンズの種類により、塩化ベンザルコニウムの影響は異なる。
ソフトコンタクトレンズ
塩化ベンザルコニウムの吸着は起こるが、1dayタイプのものは1日で使い捨てるため影響は少なく、医師によっては装着したまま点眼しても問題ないと考えられている。
長期間使用タイプのものは、レンズを外してから点眼する必要がある。
酸素透過性ハードコンタクトレンズ
現在主流の酸素透過性ハードコンタクトレンズでは、塩化ベンザルコニウムが吸着され、長期間に渡り使用するため、点眼時にはレンズを外す必要がある。
非酸素透過性ハードコンタクトレンズ
非酸素透過性のハードコンタクトレンズ(現在ではほとんど使用されていない)では、塩化ベンザルコニウムの吸着はほとんどないため、装着したまま点眼可能。
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