抗凝固薬の服用切り替え時には、切り替えるタイミングに注意が必要。
切り替え前の薬剤の半減期や切り替え後の薬剤の効果発現までの期間などを考慮して、スケジュールを決定しなければならない。
薬剤特性として、ワーファリンは半減期と効果発現までの時間が長く、直接経口抗凝固薬(DOAC)はどちらも短い。
*ワーファリンからDOAC
ワーファリンからDOACへの切り替えは、ワーファリン中止後に抗凝固作用がある程度弱くなっていることを確認してからDOACの服用を開始するのが原則。
【以下のDOACへの切り替え方法】
・プラザキサ:PT-INRが2.0未満であることを確認後に開始
・イグザレルト:PT-INRが治療下限域を下回ったことを確認後に開始
・エリキュース:PT-INRが2.0未満となってから開始
・リクシアナ:PT-INRが治療下限域以下になったことを確認後に開始
*DOACからワーファリン
DOACからワーファリンへ切り替える場合は、ワーファリンの抗凝固作用が十分に発現するまでDOACと併用する。
【以下のDOACからの切り替え方法】
・プラザキサ:PT-INRが2.0以上(70歳以上では1.6以上)までワーファリンと併用した後、速やかに中止
・イグザレルト:ワーファリンと併用しPT-INRが治療域の下限を超えるようになったことを確認後、速やかに中止
・エリキュース:PT-INRが治療域の下限を超えるまではワーファリンと併用する
・リクシアナ:PT-INRが治療域の下限を超えるまでは、ワーファリン維持量の半分量で併用する
*DOAC同士の切り替え
次回投与開始時間から切り替え(併用・休薬なし)
※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。