薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです


2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

コリン作動性グリーゼとは

ジスチグミン(ウブレチド)やベタネコール(ベサコリン)などのコリン作動性薬には、重大な副作用としてコリン作動性クリーゼがある。 // *コリン作動性クリーゼとは? 副交感神経が優位な状態が継続することで現れる症状。 初期症状としては、下痢、腹痛…

低血糖による脳心血管イベントリスク

糖尿病治療において、低血糖に関して十分に注意してモニタリングする必要がある。 症状としては冷や汗、動悸、意識障害、手足の震え、痙攣、異常な空腹感など。また、低血糖の頻度の高い場合や重篤な場合には、脳心血管系への影響も懸念される。 // *低血糖…

イリボー錠の女性への投与

イリボー(ラモセトロン)は、下痢型過敏性腸症候群治療薬。 セロトニン5−HT3受容体を拮抗的に阻害することで、腸の蠕動運動を抑制する。また、腸管水分輸送異常や内臓知覚過敏を改善する作用も持つ。 販売当初は女性への適応はなかったが、現在は女性への適…

便秘の原因となる薬剤

以下の薬剤は、便秘の原因となることがあるため、服用中の患者が便秘を訴えた場合には薬の影響を視野に入れる必要がある。 // *便秘の原因となる薬剤 ・刺激性下剤(連用時)・エチゾラム・PPI・H2ブロッカー・ステロイド・利尿剤・Ca含有製剤・陰イオン交…

シメチジンによる非特異的CYP阻害作用

H2ブロッカーのシメチジン(タガメット)は、薬物代謝酵素シトクロムP450(CYP)を非特異的に阻害するため、幅広い薬剤との相互作用に注意が必要。 過去にはテオフィリンとの併用で死亡例もある。 また、シメチジンは77%が代謝を受けずに腎から排泄されるた…

飲料のカフェイン含有量

カフェインが多く含まれている飲料といえばコーヒーが有名だが、コーヒー以外にもカフェインが多く含まれている飲料は多い。 特に最近では、エナジードリンクを日常的に愛飲している人が増えており、薬との飲み合わせに注意が必要。 // *100mlあたりのカフ…

肝硬変の合併症

肝硬変の合併症について。 以下まとめ。 // *肝硬変の合併症 腹水肝硬変では肝臓でのアルブミン合成が減少することで、血中アルブミン濃度が低下し、門脈の圧力が高くなるために腹水を発症する。腹水が大量の場合は、呼吸困難を来たす場合もある。 肝性脳症…

肝硬変による腹水に使用すべき利尿薬

肝硬変が進行し、肝予備能が低下すると腹水や肝性脳症、黄疸、胃静脈瘤などの合併症を伴う。 この病態を「非代償性肝硬変」という。 // *腹水に対する利尿薬の選択 腹水の治療では利尿薬が用いられるが、肝硬変の腹水に適している利尿薬について、ガイドラ…

疥癬と治療薬

疥癬とは、ヒセンダニよって引き起こされる感染症。 ヒセンダニは肉眼では確認できないが、虫眼鏡で確認できる程度の小さなダニ。 ヒトの体温がヒセンダニにとっての最適温度であり、ヒトの皮膚の角質層に寄生して、卵を産み付け繁殖する。メスは卵を産むた…

混合してはいけない塗り薬

以下の薬剤は、添付文書にて他剤との混合が禁止されている。 // 【混合してはいけない外用塗布薬】 ・イソジンシュガーパスタ軟膏・ネオヨジンシュガーパスタ軟膏・ネグミンシュガー軟膏・ユーパスタコーワ軟膏・ポビドリンパスタ軟膏・メイスパン配合軟膏・…

点鼻薬性鼻炎

点鼻薬性鼻炎とは、点鼻薬に含まれる血管収縮剤により引き起こされる鼻閉。 主にOTCの点鼻薬に含まれる、ナファゾリンやテトラヒドロゾリンなどのα1受容体作動薬が原因となることが多い。 // *病態 血管収縮剤の点鼻を連用すると、鼻粘膜の毛細血管の収縮が…

脂質異常症治療薬の血清脂質への影響の違い

現在、脂質異常症に使用されてる主な薬剤は、①スタチン系、②フィブラート系、③小腸コレステロールトランスポーター阻害薬に分類される。 血管イベントの予防に重要な血清脂質としては、中性脂肪(TG)、LDLコレステロール(LDL-C)、総コレステロールからHDL…

チラーヂンSによる抗うつ作用

甲状腺機能低下症では、倦怠感や精神不安定、食欲低下、意欲・集中力の低下、無気力・無関心などの症状がみられ、うつ病の症状と類似している。 甲状腺機能低下症による精神症状の慢性化が、うつ病の発症を来す場合もある。 近年の研究では、甲状腺機能低下…