薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです


オーグメンチンとサワシリンの併用(オグサワ処方)

オーグメンチンとサワシリンの併用処方を、「オグサワ処方」と呼ぶ。 *オーグメンチン配合錠とは? オーグメンチン配合錠250RSには、1錠あたりアモキシシリン250mgとクラブラン酸カリウム125mgが含有されている。 クラブラン酸カリウムは、βラクタマーゼを…

「抗菌薬」と「抗生物質」

しばしば「抗菌薬」と「抗生物質」は同じ意味で用いられるが、厳密には定義が異なる。 抗菌薬の定義 細菌に対して破壊または育成抑制の作用をもつ薬剤 抗生物質の定義 微生物が産生し、細菌やその他の微生物、癌細胞の育成を抑え、さらには破壊するような能…

ミノサイクリンの神経保護作用

ミノサイクリン(ミノマイシン)はテトラサイクリン系の抗菌薬だが、抗菌作用の他にもいくつか作用を併せ持つことが報告されており、しばしば感染症以外にも投与される。 特に神経保護作用に関する研究が進んでおり、今後、神経変性疾患の治療への活用が期待…

梅毒治療中の発熱(ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応)

梅毒の標準治療であるアモキシシリンの投与により発熱や頭痛、筋肉痛などの症状がみられることがある。 これをヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応という。 *ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応とは 梅毒の治療に抗菌薬を投与した際に、みられる生体反応の…

キノロンのデュアルインヒビター

キノロン系抗菌薬の作用点は、DNAジェイレースとトポイソメラーゼⅣの2つあり、通常のキノロン系抗菌薬はこの2つの酵素の内、どちらか1つの酵素を強く阻害する。 中には2つの酵素を強力に同程度阻害するものがあり、このようなキノロンをデュアルインヒビター…

レスピラトリーキノロンとは

レスピラトリーキノロンとは、呼吸器感染症の主要起炎菌に対する有効性が十分であり、肺組織への移行性が高いキノロン系抗菌薬のこと。 レスピラトリー(Respiratory)とは、呼吸器という意味。 *経口レスピラトリーキノロン ・ラスビック(ラスクフロキサ…

[新薬]ラスビック錠

*一般名 ラスクフロキサシン塩酸塩錠*規格 75mg *特徴 ・ニューキノロン系抗菌薬。 ・既存のニューキノロン系抗菌薬に比べて、呼吸器及び耳鼻咽喉科組織への移行が良好なため、低用量でも感染組織における有効な薬剤濃度を維持し、高い治療効果を示すとさ…

ワーファリン服用中の抗菌薬投与

抗菌薬を服用すると、腸内のビタミンK産生菌が減少し、ワーファリンの効果が増強されると考えられる。 実際に、ワーファリン服用中の患者が抗菌薬を傾向服用すると、PTーINRが5.0以上に上昇するリスクは、平均で2.46倍になったとの報告がある。 中でもニュー…

マクロライド系抗菌薬の特徴まとめ

マクロライド系抗菌薬は、構造により、14員環、15員環、16員環に分類される。 14員環・・・エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン 15員環・・・アジスロマイシン 16員環・・・ジョサマイシン、キタマイシン *粘膜正常化作用 14員環のエ…