抗菌薬を服用すると、腸内のビタミンK産生菌が減少し、ワーファリンの効果が増強されると考えられる。
実際に、ワーファリン服用中の患者が抗菌薬を傾向服用すると、PTーINRが5.0以上に上昇するリスクは、平均で2.46倍になったとの報告がある。
中でもニューキノロン系やマクロライド系、メトロダームの併用で有意に上昇がみられたが、ペニシリン系やセフェム系では有意差はなかったとのこと。
しかし、そもそも感染症自体がPTーINR上昇のリスク要因であり、上気道感染症では健常時と比べ、PTーINRが5.0以上に上昇するリスクは2.12倍になったとの報告もある。
⇒ 感染症という状態そのものがワーファリンの効果を不安定にする要因である。
*まとめ
トータルにみると、抗菌薬の影響は少なく、短期間の使用でワーファリンを減量することは、むしろ血栓症のリスクを高めてしまうことに繋がる。
ただし、高齢者などの腎機能が低下している場合では、抗菌薬とワーファリンの併用には注意が必要。
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