薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです


2020-01-01から1年間の記事一覧

アレサガテープの特徴

アレサガテープは、国内初の経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療薬。 有効成分は、エメダスチンフマル酸塩。 *規格 4mg/8mg *適応症 アレルギー性鼻炎 *特徴 ・有効成分のエメダスチンフマル酸塩は、第2世代の抗ヒスタミン薬で、レミカットと同一成分。 ・適…

徐脈に対するシロスタゾール処方

シロスタゾール(プレタール)には心拍数増加の副作用があり、その副作用を利用して、徐脈性不整脈の治療にシロスタゾールが用いられることがある。 *心拍数増加を引き起こすメカニズム シロスタゾールが心拍数を増加させるメカニズムは明確になっていない…

偽痛風とは

偽痛風とは、尿酸以外の結晶により誘発される関節炎の総称。 主にピロリン酸カルシウム二水和物(CPPD)の結晶によって引き起こされる(CPPD結晶沈着症)。 高齢者に多く、男女差はほとんどない(やや女性に多め)とされている。 *症状 症状は、痛風に類似…

オーグメンチンとサワシリンの併用(オグサワ処方)

オーグメンチンとサワシリンの併用処方を、「オグサワ処方」と呼ぶ。 *オーグメンチン配合錠とは? オーグメンチン配合錠250RSには、1錠あたりアモキシシリン250mgとクラブラン酸カリウム125mgが含有されている。 クラブラン酸カリウムは、βラクタマーゼを…

抗凝固薬の切り替え方法まとめ

抗凝固薬の服用切り替え時には、切り替えるタイミングに注意が必要。 切り替え前の薬剤の半減期や切り替え後の薬剤の効果発現までの期間などを考慮して、スケジュールを決定しなければならない。 薬剤特性として、ワーファリンは半減期と効果発現までの時間…

アドエアとレルベアの違い

アドエアとレルベアは、どちらも吸入ステロイド・β刺激薬配合の気管支喘息治療薬。 以下、アドエア ディスカスとレルベア エリプタの違いまとめ。 *有効成分 アドエア・・・サルメテロール/フルチカゾンプロピオン酸エステル レルベア・・・ビランテロール…

気管支喘息の分類(アトピー型/非アトピー型)

気管支喘息は、大きく分けてアトピー型と非アトピー型の2つに分類される。 小児喘息の70%以上がアトピー型。 年齢が上がるにつれて非アトピー型を発症しやすく、成人喘息ではアトピー型、非アトピー型とそれらの混合型がそれぞれ約1/3ずつ。 *分類 アトピ…

肺炎の種類と特徴

肺炎は原因により、細菌性、ウイルス性、非定型、誤嚥性の4つに分類されている。 以下、特徴まとめ。 *原因 細菌性 肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌 など ウイルス性 インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、水痘ウイルス、RSウイルス、コロナ…

レクサプロの特徴

レクサプロ(エスシタロプラム)はSSRI。 SSRIの中でも使いが手が良く、最も多く処方されている。 *レクサプロの特徴 ・SSRIの中で最も有効性と忍容性が高い(MANGA Study)。 ・効果発現が早く、SSRIでは唯一、開始用量が治療用量。 ・アロステリック作用…

ロトリガとエパデール

ロトリガとエパデールの比較まとめ。 *有効成分 ロトリガ・・・エコサペントエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA) エパデール・・・EPA のみ EPA・DHAはどちらも体内では合成できないn-3系多価不飽和脂肪酸。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []…

点眼薬とコンタクトレンズ

一般的に、コンタクトレンズ使用者が点眼薬を使用する場合は、コンタクトレンズを外してから点眼し、点眼の5〜15分後に再装着する。 コンタクトレンズ着脱の手間がかかることでアドヒアランス(コンプライアンス)の悪化が懸念される場合などは、装着したま…

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏は、どちらも酸化亜鉛を含む外用薬。 違いと使い分けについて、以下まとめ。 *色 亜鉛華軟膏・・・・白色亜鉛華単軟膏・・・単黄色 *酸化亜鉛の濃度 亜鉛華軟膏・・・・20%亜鉛華単軟膏・・・10% *基剤 亜鉛華軟膏・・・・白色…

糖尿病と認知症

糖尿病患者では、認知症発症率が高いことが明らかになっている。 また、重篤な低血糖が起きると、認知症を引き起こすリスクが高くなると考えられている。 疫学調査において、日本人の糖尿病患者は健常人と比べ、アルツハイマー型認知症は約2.18倍、脳血管性…

白色ワセリンとプロペトの違い

ワセリン系の保湿剤や外用薬の基剤として白色ワセリンとプロペトが汎用されている。 両者は同じ原材料(石油)から精製され、精製度の違いにより分類されている。 *白色ワセリン 石油から精製される保湿剤。品質は日本薬局方により規定されている。 硫黄な…

柑橘類によるCYP3A4阻害作用

薬と柑橘類の相互作用といえば、第一にグレープフルーツによるCYP3A4阻害作用が挙げられる。 *グレープフルーツによるCYP3A4阻害作用 グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類は、小腸に存在するCYP3A4の活性化を阻害するため、CYP3A4で代謝される薬の…

「抗菌薬」と「抗生物質」

しばしば「抗菌薬」と「抗生物質」は同じ意味で用いられるが、厳密には定義が異なる。 抗菌薬の定義 細菌に対して破壊または育成抑制の作用をもつ薬剤 抗生物質の定義 微生物が産生し、細菌やその他の微生物、癌細胞の育成を抑え、さらには破壊するような能…

エネーボの特徴(エンシュアとの比較)

エネーボ配合経腸栄養液は、液状の経腸栄養剤。 固形物を摂取できない患者や、食事量の少ない患者へ、エネルギー源(カロリー)として投与される。 カゼインが含まれているため、牛乳アレルギーには禁忌。 口から服用することも、経管投与も可能。 *エンシ…

レストレスレッグス症状群に対する鉄剤とビタミンD製剤

レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は、脚を中心に局所的に「ムズムズする」「虫が這っている感じがする」「じっとしていると不快」などの知覚異常を主な症状とする。 夕方から夜間に症状が悪化することが多く、睡眠障害の原因となる。 発症の原…

ミノサイクリンの神経保護作用

ミノサイクリン(ミノマイシン)はテトラサイクリン系の抗菌薬だが、抗菌作用の他にもいくつか作用を併せ持つことが報告されており、しばしば感染症以外にも投与される。 特に神経保護作用に関する研究が進んでおり、今後、神経変性疾患の治療への活用が期待…

オンデマンド療法とは

胃食道逆流症(GERD)の長期治療戦略として、「オンデマンド療法」の有効性が注目されている。 「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015」では、オンデマンド療法を以下のように定義しており、一部のGERDの長期管理として推奨している。 オンデマンド療…

ステロイド内服に朝食後が多い理由

ステロイドの内服は、朝食後服用で処方されることが多い。 分2服用の場合にも朝・昼食後で処方されることや、朝・夕食後の分2服用で処方される場合には、朝食後の用量の方が多く処方されることがある。 *朝に服用する理由 ・通常、午前中に増加し、夜になる…

メジャートランキライザーとマイナートランキライザー

トランキライザーとは、現在においてはほとんど使われることはなくなった用語で、「精神安定剤」という意味。 トランキライザーの中でも、抗精神病作用のあるものは「メジャートランキライザー」、抗不安作用のあるものは「マイナートランキライザー」と呼ば…

ピロリ菌の除菌治療における注意点

ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法における、薬剤服用時にはいくつか注意点がある。 *レジメン 一次除菌 アモキシシリン(1500mg)/クラリスロマイシン(400mg又は800mg)/ PPI 1日2回 7日間 二次除菌 アモキシシリン(1500mg)/メトロニダゾール(500…

インペアード・パフォーマンスとは

インペアード・パフォーマンスとは、抗ヒスタミン薬の投与によって集中力や判断力、作業能力などが低下してしまうこと。 抗ヒスタミン薬による眠気とは別の意味で定義されており、眠気が現れない場合でもインペアード・パフォーマンスがみられることがある。…

梅毒治療中の発熱(ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応)

梅毒の標準治療であるアモキシシリンの投与により発熱や頭痛、筋肉痛などの症状がみられることがある。 これをヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応という。 *ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応とは 梅毒の治療に抗菌薬を投与した際に、みられる生体反応の…

エンシュア・リキッドとエンシュア・H

エンシュア・リキッドとエンシュア・Hは、液状の経腸栄養剤。 固形物を摂取できない患者や、食事量の少ない患者へ、エネルギー源(カロリー)として投与される。 カロリーだけでなくビタミン、ミネラル、タンパク質がバランスよく配合されている。 カゼイン…

不眠症改善のための生活指導

不眠症への対応は、薬物治療の前にまず生活指導から行う。 薬物治療開始後も不眠改善のための習慣は重要となる。 以下、生活指導まとめ。 【不眠症改善のための生活指導】 ・適度な有酸素運動を行う。 ・音対策・遮光、室温管理をしっかりとするなど寝室の環…

フェキソフェナジンと果物ジュース

フェキソフェナジン(アレグラ)は、果実ジュースとの相互作用に注意が必要な薬剤。 果物ジュースによる、フェキソフェナジンの吸収への影響が確認されている。 *有機アニオントランスポーター(OATP)阻害作用 フェキソフェナジンなどの小腸の細胞膜に存在…

タケキャブの特徴(従来のPPIとの比較)

タケキャブ(ボノプラザン)は、プロトンポンプ阻害剤(PPI)の一種だが、従来のPPIとは阻害機序が異なり、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)と呼ばれている。 *薬理作用 従来のPPIは、酸により胃壁細胞内で活性型のスルフィンアミド型に変…

ナウゼリンとプリンペラン

ドンペリドン(ナウゼリン)とメトクロプラミド(プリンペラン)は、どちらもよく使われる制吐剤。 以下、違いなどまとめ。 *作用機序 どちらも中枢(CTZ:化学受容器引金帯)のドパミンD2受容体を遮断することで中枢性の吐き気を抑制し、また、抹消のドパ…